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第1章
ホームページとは
一体何か?

第2章
「売る」ホームページ作成のための基礎知識

第3章
コンセプトの選択は間違っていませんか

第4章
トップページの
考え方

第5章
デザイン

第6章
コピーとネーミング

第7章
構成

第8章
よりいっそうの販売促進のために

終わりに
オンラインショップの時代はこれから

 

第5章 -- デザイン

デザイナーが陥るワナと技術者が陥るワナ
  デザインの話が出たついでに、もう少しデザインについて、言及してみましょう。扉ページでは、商品の魅力を語るようにといいました。では、商品の魅力を語るデザインとは、一体どんなものをいうのでしょうか。
  筆者はそれを演劇にたとえたいと思います。演劇は、出演者と演出者との協力によって成り立っていますが、いい演劇ほど観客の目は出演者に集まり、裏方にいる演出者の存在をみじんも感じさせません。デザインもそれと同じではないでしょうか。つまり、商品を脇においてデザインが舞台の中央にしゃしゃり出るようなことがあってはならないのです。デザインというのはあくまで商品を引き立てるためにあるのであって、デザインのために商品があるわけではありません。
  当然じゃないか、と思われる人も多いことでしょう。けれど、クリエイターと称する人たちの中には、残念ながらそれを当然と思わない人たちが案外少なくありません。そうしたクリエイターにとっては、商品は自分の「芸術」のための口実にすぎず、自己表現の手段でしかないのです。したがって、出来上がった作品の芸術的な完成度については実に細かいところまで気を配るのですが、肝心な商品の売れ行きについては、まったくといっていいほど無関心なのです(何を隠そう、10年前の私がそうでした)。ホームページ制作を外注する場合は、くれぐれもこんな輩にひっかからないよう気をつけなければなりません。
  デザインが、主役になってはならないというのには、もうひとつ理由があります。それはホームページの場合、容量の問題があるからです。仮に商品の魅力を引き立てる素晴しいデザインを思いついたとしても、それがやたらに大きな画像を使うものであったならば、残念ですが、そのアイディアはあきらめなければなりません。もちろん、そのアイディアが本当に素晴しいもので、通常のダイレクトメールのデザインに使われたなら間違いなく売上をアップさせることができるものであったとしても、です。
  デザインによる販売促進効果がいかに「魔力的」なものであったとしても、それが表示されるまで多くの時間がかかるようでは、その効果自体が減殺されてしまうからです。もっとも、これはデザイナーが陥りやすいワナであると同時に技術者が陥りやすいワナでもあります。デザイナーがやたらと凝った画像を使いたがるのと同じように、技術者の場合はどうしても動画や音声、その他、最新技術を盛り込もうとしがちです。しかし、それらもまたホームページの容量を重くして表示までの時間を長くするのだということを忘れてはなりません。また通常のブラウザだけでは開くことができず、特殊なプラグインソフトを使わないと見られないようなホームページを作るのも、どんなものでしょう。そもそも見込み客に見られないのではオンラインショップの意味がないのではないでしょうか。

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こんなデザインが売上を減少させる
  ここで「間違った」デザインの例をいくつか挙げてみることにしましょう。
まずもっともいけないのは、先ほどもいったように容量の重すぎるものです。これは通信速度に限界がある現状では、誰しも認めざるをえない部分でしょう。制作者側としては、できるだけ容量が小さい、それでいて効果的な(こういうホームページを一般にCOOLなと呼んでいます)デザインを心がけるようにすべきです。
  次に問題なのは、デザインがうるさすぎるものです。これは、前章でも述べたように、デザインばかりが目立ちすぎる反面、肝心の商品の存在感が薄れてしまうおそれがあります。こういうホームページは、一見「かっこいい」デザインに見えるかもしれませんが、「売る」ホームページとしては完全に失格です。デザインはできるだけシンプルであるべきです。ここで見込み客はあなたのホームページに何を求めているのかを、もう一度振り返ってみてください。かれは、あなたのホームページに芸術的な感動を求めているのでしょうか? それとも商品情報でしょうか?
  また、文字が読みにくいホームページも問題です。筆者も時々、行き当たることがあるのですが、黒っぽい背景色にこれまた黒っぽい文字を平気で使っているページがあります。なかにはデザインや構成などは、けっこううまくまとまっているにもかかわらず、文字だけがどうにも見づらく、どうしてそこまで頭が回らなかったのかと非常に残念に思うことがあります。そもそも文字が読めなくては、どんな商品なのか相手に理解させることができません。これは、もうデザイン以前の問題といってよいでしょう。
  これに関連することですが、広告の世界では、一般に黒地に白抜き文字で書かれたコピーは、その逆の場合と比べると読まれる率が低いということが調査の結果わかっています。アメリカの広告王として有名なデビッド・オグルビーは、こういっています。
「(黒地を背景に)白抜き文字を使って、飢える子供たちのための基金を集めていた広告に、私は、白地に黒文字のテストを行うよう提案した。2倍の寄付金が集まった」(『「売る」広告』/デビッド・オグルビー/松岡茂雄訳/誠文堂新光社/1985)。
  もちろん、広告とホームページとを単純に比べるわけにはいきませんが、黒地に白抜き文字で書かれたコピーが読まれない、ということを「読みづらい」からと理解できれば、この点はホームページにも十分応用できるはずです。ホームページの文字は、原則として背景色とは反対色を使用するようお勧めします。
  最後にもうひとつ、問題のあるデザインを指摘してみましょう。それは黒と黄色を基調としたデザインです。自然界では、黒と黄色の配色は一般に「危険」「毒を持つ」といった信号として使われています。そのことは、蜂や毒ヘビなどの毒を持つ動物の色をみるとおわかりいただけるのではないでしょうか。また道路標識でもいわゆる「警戒標識」は黒と黄色でデザインされています。したがって、お客様が親しみやすいホームページにしたいのなら、黒と黄色のデザインはできれば避けたほうが無難かもしれません。

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これが売上を伸ばすデザインだ
基本4:デザインは「シンプル」を旨とし、商品を引き立てる脇役に徹すべし
  次に「正しい」デザインについて、いくつかそのヒントをお話しましょう。まず、最初に強調したいのは、「商品を主役にすべし」ということです。しかし、これは先ほどから何度も繰り返している点ですので、ここではもはやくどくど申し上げません。要はシンプル イズ ベストです。下手なデザインに頭を悩ますくらいなら、商品写真とコピーを単純にレイアウトしただけのほうがよっぽど効果的だということを忘れないでいただきたいと思います。
  次に重要なのは、「複数の商品を一堂に並べよ」という点です。これは、新聞のチラシや通信販売のカタログが参考になります。一般に人は、目の前に商品を一個だけ出されてもなかなか手を出さないものです。それは、人はいくつかの商品を比較しながらどれを買うのか自分で決定したいと思っているからであり、目の前に提示された商品が多ければ多いほど、その中から「最高のものを自分で選択した」という満足感が強くなるものです。したがって商品が一個だけぽつんとあるよりも2個、2個よりも3個、とあったほうが購入への抵抗感が薄れるのが普通です。
  もっともなかには、ひとつしか商品がないという場合もあるかもしれません。たとえば名物のお菓子を売る老舗などはこれ一品で勝負、というところも多いことでしょう。そして、この「うちはこれしか売っていません」という専門性は、オンラインショップでは大きなセールスポイントになることも事実です。では、どうしたらよいのでしょうか。答えは簡単です。10個入りの箱詰めと、20個入りの箱詰めから選ばせればよいのです。要は、客に「選ぶ」自由を与える、ということが大事なのです。その「自由」が実際にはたんなる思い込みや幻想に過ぎなくても、です。
  3番目のヒントは、「目玉商品を設定せよ」ということです。いま「複数の商品を一堂に並べよ」といいましたが、それと同時に必ず目玉商品をひとつか、ふたつ、目立つようにレイアウトすべきです。業界の経験則では、カタログなどに10個の商品を掲載したとして、それらを平等な大きさで並べた場合と、そのなかのひとつを目玉商品として大きく扱った場合を比べると後者のほうが全体の売上が伸び、しかも目玉商品以外の商品の売上も伸びるといわれています。
  4番目のヒントとして、挙げたいのは「事前事後」というテクニックです。これは、よく痩身術などの広告で使われるテクニックです。つまり、その商品を使うことによって得られる効果を使用前と使用後で比べて見せる方法です。えっ? いかにもいかがわしい。そう思うのは、あなたがその商品に興味がないからです。本当にその商品に興味を持っている人には、これは今でも効果のあるテクニックのひとつなのです。もっとも、誇張や嘘はいけません。とくにオンラインショップの場合は、何よりも信頼性が大事ですから、このテクニックを使うにあたっては、誠実と正確を心がけ、間違っても「だまくらかしてやろう」などと考えてはなりません。ネットワークの住人 -- ネチズン -- の知的レベルを、不当に低く見積もってはいけません。

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いい写真にはそれだけで販売力がある
基本5:購買意欲をそそる写真を、できるだけ大きく使うべし
これまでもっぱらデザインの善し悪しについて言及してきましたが、写真の出来不出来は、それ以上に売上を左右する重要なポイントです。とくに食品関連の商品については、写真は決定的な影響をおよぼすといっても過言ではありません。したがって、商品写真はできるだけプロのカメラマンに頼んだほうが無難でしょう。最初は少々、予算が張るかもしれませんが、長い目でみれば結局そのほうが得であることは間違いないのですから…。
  では販売力のある写真とは、どういうものをさすのでしょうか。ここにいくつかその基準を挙げてみましょう。まずひとつは、「特徴の明示」ということです。およそすべての商品にはそれが商品としての価値を持つものである限り、必ずセールスポイントとなる特徴があるはずです。そして、それをコンセプトにキャッチフレーズが決められ、デザインや写真が決定されるのが通常の広告制作の順序であることはすでに説明した通りです。したがって写真もまた、そうした商品の特徴をできるだけわかりやすく、それも印象的に表現することが大切です。たとえば、商品の特徴が斬新なデザインであるならばそのデザインを、新機能ならばその新機能に関係する部分を、拡大して見せてあげるのがよいでしょう。
  ふたつ目は、「使用中の写真」です。たとえば食品ならば、実際にそれを食べている写真を出すべきです。そのほうが食欲をそそることは、たんに食膳に並べただけの写真と比べてみれば誰しも納得できることでしょう。もっとも人が食べているところをあからさまに見せるのもあまり品がありませんので、それには工夫も必要です。たとえば、料理を箸で持ち上げた場面でもかまいませんし、場合によってはたんに箸を添えただけでも随分雰囲気が違うものです。このあたりは、食品関連チラシや通信販売カタログなどが参考になりますので、自分で研究してみてください。
  もうひとつは、「結果の写真」です。これは痩身術や美顔術などの広告でよく見られるもので、その商品を使うことによって得られる「結果」を明確に表現した写真のことです。この「結果の写真」を使う方法は、商品の『効用』が目で見えるものである場合、たいへん効果的です。もっともこの方法は、一歩間違うと逆に「眉つば」的イメージを与えますので、十分注意しなければなりません。
  ところで使用する写真は、カラー写真がよいのでしょうか。それとも白黒写真でもかまわないのでしょうか。これは画像の重さにも関係してきますので、あながち無視できない問題です。とはいえ一般的には、やはりカラーのほうをお勧めします。そのほうが売上が伸びることは、ダイレクトメールの世界でも実証済みだからです。しかし、なかには白黒でもかまわないものもあります。これもダイレクトメールのケースですが、「手芸」などの通信教育講座では、白黒写真のほうがむしろ売上が良かったという例が報告されています。その理由とされているのは、いずれも売ろうとしている商品がカタログに掲載されている商品写真そのものではなく、むしろ「自分で作る喜び」であり、「夢」だからである、という点です。ということは、一般に商品が目に見えるモノである場合は、カラー写真の方が効果的ですが、目に見えない商品の場合は、白黒写真でもかまわないということになりそうです。したがってあなたが売ろうとしている商品が目に見えないもので、カラー写真を使うとホームページが「重く」なってしまうような場合は、白黒写真でもかまわないでしょう。
  さて、次にこれらの写真をどのようにレイアウトすればよいのか、という問題ですが、これは前にもふれたようにできるだけ大きくレイアウトしたほうが効果的です。そのほうが、インパクトもありますし、質感などのリアルさもそれだけ増すからです。もっともあまり大きくするとその分表示に時間がかかってしまいますので、それもやはり限度があります。しかし、その場合でも、本当にその商品に興味を持っている客は、少しくらい表示に時間がかかっても待ってくれるものだということを忘れてはなりません。

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